事例(1)男子体操

ある学生体操選手は、右手首に痛みを抱えていたものの、1年間準備をしていたインカレに強行出場しました。

男子体操競技には6種目あります。そのなかで、一番手首に負担がかかるのは「あん馬」なのですが、その「あん馬」の演技中に鋭い痛みが走り、あん馬から落下してしまいました。

gym_XSなんとか最後まで演技したものの、大会終了後、スポーツドクターに診断を受けたところ、右手首の関節が一部粉砕しており、最低でも3カ月以上の安静が必要であるだけでなく、もし安静で改善しなかった場合には手術しなければならず、そうなると半年から1年以上の競技中断となると宣告されました。

怪我が治るかどうかもわからない不安を抱えた状況の中、その体操選手は、ひたすら下半身の強化に取り組みました。また手首を使う種目については、ひたすらイメージトレーニングを続けました。

幸い、手首の回復は順調に進み、予定より早く、手首を使った種目の練習を開始できるようになりました。本人が驚いたのが、3カ月以上のブランクがあったにもかかわらず、あまり違和感なく、競技の練習を再開できたことでした。体操では、1週間も体を動かさないと、なかなか運動感覚を取り戻せないことが普通とのことです。

体操では、日本代表監督である具志堅幸司氏が、現役時代、怪我で入院中に、イメージトレーニングだけで、できなかった技を習得したという逸話『スポーツ大陸 金メダルへのイメージトレーニング』が残っていますが、それに近いことが自分にも本当に起きたことに、すごく喜んでいました。